☆島での出産体験記☆妊娠が判明した件については「手続きについて」の中で書いていますが。ここではその後日談を書かせていただくことにいたします。 生まれた我が子の様子や出産当日の様子については「馬鹿親」のコーナーで報告させていただいています。よろしかったら覗いてあげてくださいね。 ☆今は無くなった産院&産婆さん☆ 島生まれのうちの旦那は、近所の産婆さんに取り上げてもらったそうです。生まれたときは仮死状態で、産婆さんの蘇生処置によって、無事一命を取り留めたのだとか。 お義母さんが、うちの孫もぜひ取り上げて欲しいとその産婆さんに話してくださったのですが、残念ながら今は引退されて、もう子供は取り上げていないとのことでした。その産婆さんは、遠い親戚にあたる方で、我が家に出産のお祝いで来てくださったのですが、うちの子を抱きながら「もう一度子供を取り上げてみたいって本当に思うわ」とおっしゃった目の優しかったこと。引退されたのが残念で残念で仕方ありませんでした。 10年ほど前までは助産院や産婆さんは何件かあったのですが、今はもう開業されている方は和泊町には1人もいらっしゃらないとか。重ね重ね残念です。 ☆妊婦に山羊汁は食べさせるな!??☆ 沖永良部島では、山羊を食べる習慣があります。少し癖はあるけれど、こってりとしていて、元気が出てくる味です。 お世話になっている親戚のおばちゃんが、若い頃、お姑さんから「妊娠中は山羊汁を食べてはいけない」と言われたそうです。「どうしてそんな風に言うのかわからなくって、私は隠れてこっそり食べたけれど、別にどうもなかったよ」そういって笑いながら、私にもお手製の美味しい山羊汁をたべさせてくれました。その話をお義母さんにしたところ、「山羊汁食べたの!?私も食べられないのに!!!」と笑われました。「あんたは何でも食べるから」って。。。食いしん坊の嫁ですみません。 その他にも、「子供を寝かせるときは東と北には絶対に頭を向かせてはいけない」とか「子供の頭の上を通ってはいけない」とか、「子供の枕の下にハサミを置くと魔よけになる」とか、「子供の太股にできたしわが1本なら2人目は男の子」とか、いろんな言い伝えがあるようです。いろんな人からもっともっと沢山島の言い伝えを教えてもらって、そのときはすごく感心して聞くのですが、今となってはそのほとんどが思い出せない…。教えてくださったみなさんごめんなさい。こんなことならメモとっておくんだったわ。 ☆産後の儀式!?☆ 子供が生まれて病院から退院してくると、1ヶ月ほどは実家に帰るのが通例のようですが、私には実家が無いので、お義父さんとお義母さんが助っ人で島に駆けつけてくださいました。その1ヶ月間のめまぐるしかったこと。 まずは親戚を呼んで「出産の祝い」を執り行います。まあ、集まって飲んで話して終わるのですが、「ほんの近しい人だけ呼んで」と言っても招待客は30人は軽く超えてしまいました。当日は座敷を2部屋ふすまを取り払ったり、公民館からテーブルを借りてきたりと会場作りも大騒ぎ。食事は家では作りきれませんから、仕出しの折を頼みます。出席者はまず家に入ると仏壇に手を合わせて、そこにお祝いを一袋置き、その後赤ちゃんの顔をながめて(人によっては抱きあげて)、赤ちゃんの横にもう一袋お祝いを置き、両親に挨拶をしてからそれぞれの席につきます。(横で眺めながら「そんなにお祝いもらって良いの???」とはらはらしていたのは私です) 招待客が揃ったところで、親戚の中で目上に当たる方に乾杯の音頭をお願いし(沖永良部の場合、乾杯が平均2回から3回は行われます)、その後両親の挨拶があって、後は会食。これはあくまで我が家の行った祝いの1例で、家や字によってしきたりはまちまちなのだそうです。 祝いが終わって一安心かと思いきや、それからがまた大変。毎日のように誰かしらが「赤ちゃん見せてね」とお祝いにいらっしゃるのです。それもほとんどの人が当然のようにアポ無しでのご来訪。近しい親戚の人や近所の方はほとんど全員が、毎日入れ代わり立ち代りやってくる。その都度お茶を出したり相手をしたりするのはお義父さんとお義母さんの役目。元気に泣いて、愛嬌をふりまいて、お客様を喜ばせるのが赤ちゃんの役目。嫁の私は寝間着のままで、少しだけ顔を出して挨拶をして、あとは奥にひっこんでごろごろしているだけでした。「産後はしっかり嫁を休ませろ」そういうシステムが島にはしっかり根付いているんだなあと感心しました。 いろんな人がいろんな形でやってきて、みんなで子供の出産を祝ってくれる。 島の子って、なんて幸せなんだろうって、しみじみと感じたぴっぐでありました。 ☆島の子は自分の子!?☆ 祝いのときも感じたのですが、本当に島の人は子供好きみたいです。もちろん、子供が嫌いという人はどこに行っても少ないとは思うのですが、、、、。子供を連れてスーパーなんかで買い物をしていたりすると、どこの誰かもわからない人が「まあーかわいい子」とやって来て、「どれ、抱っこしよう」と手を差し出してくれるのです。抱っこするだけでなく、「おっぱいは出るの?」「夜は泣かない?」などと子育ての様子を気にかけてくれたりもします。そうして「うんぐー」と子供に話し掛けてくれるのです。この「うんぐー」というあやし方は島特有のものなのでしょうか?東京では少なくとも聞いたことはありません。確かに生まれてしばらくの赤ちゃんは、漫画にでてくるみたいに「バーブー」とか「ダーダー」とはあまり言わず、どちらかといえば「うんぐー」という方が当たっているように思えます。島の親戚のおばちゃんに、「大和(都会のことをそういうらしいです)ではうんぐーっちいわずになんて言うの?」と聞かれた事が何度かありますが「さあ?」と答えると、とても不思議な顔をされました。島では、どこの家の子でも、自分の家の子と同じようにかわいがるのがって、あやしてあげるのがあたりまえ。でも、都会では、近所の子供を抱きしめるなんていう習慣はもちろん、子供のあやし言葉までも、どこかに無くなってしまったのかもなあと、そんな風にも感じました。 ちなみに、「うんぐー」は、「いないいないバー」とは違い、いないいないバーがまだわからないような時期の子供をあやすときに使うのだそうです。念のため。 |