7月1日浅草を散歩

7月18日、沖永良部へ旅立つ前に、浅草の花やしきで、旦那と私の結婚式件送別会を開くことになっているのですが、今日はその日に身につける手袋を探しに、Y婦人に付き合ってもらって、仲見世に出かけました。ウェディングドレスは,幸運にも会社の同僚から譲りうけられることになっていたのですが、手袋や装飾品は、自分で探さなければなりません。はじめは木馬座の周辺の大衆演劇の衣装屋が並んでいるあたりに、安い手袋があるんでは????なんて思って出かけたのですが、仲見世の裏にあったウェディングドレスのショールームで、驚くほどお手ごろな価格で花嫁用の手袋を発見。価格もお手ごろでしたが、お店の方もとても親切で、たかが手袋1組買いに来ただけの私に、いろいろとアドバイスまでしていただいて、それは可愛らしい白いバラの付いた手袋を、数日前に某デパートで見た手袋の5分の1の価格で購入。すっかり満足して店を出ました。

手袋を購入した仲見世の裏手のドレス屋さん。

隣の神社からそっと覗き見た伝法院の庭園
予定よりもずいぶん早めに用事の済んだY婦人とぴっぐは、ふらふらと浅草寺周辺を散策することにしました。
浅草寺の裏手には、浅草寺の住職の住まいという伝法院があり、さらにその隣に、水子地蔵と狸が祭られている小さな神社があるのですが、普段はなぜか通りかかっても閉まっていることの多いこの神社の門が今日はたまたま開いていて、初めて中に入ることができました。左の写真は、この神社の境内から眺めた伝法院の庭園とお池。伝法院は、普段は一般には公開されていないため、Y婦人曰く、「見事な庭園があるといううわさは 聞いていた」とのことですが、この神社から、こんな庭園を覗き見ることが出来るとは。。。一般公開されていないのが恨めしくなるほど、静かで美しい庭園でした。でも、公開されていないからこそ、浅草の街中にあって、あんなたたずまいを守っていられるのかもしれませんが。。
神社を出て、浅草公会堂の前のスターの広場へ。この広場には、浅草で活躍した芸人さんを中心に、あらゆるジャンルの有名人の手形がズラリと並んでいることで知られています。
中学生の頃、卒業した憧れの先輩の学校の吹奏楽部の定期演奏会を見るために、部活の友達といっしょにこの公会堂に来て、先輩が出てくるんじゃないかとドキドキしながら、気もそぞろにこの手形を眺めていた思い出があります。おかげで、ここで手形を見ていると今でも、並んだ手形の顔ぶれの豊富さに感心しながらも、ついついあの時のドキドキを思い出して、クスッと笑いそうになる自分がいます。それにしても、あの当時と比べると、手形の量はずいぶん増えていて、もうそろそろ公会堂の入り口が埋まってしまうのではないかと思うほど。ここが一杯になったら、この企画、どうなってしまうんだろう。。。っと、少し心配なぴっぐでした。

尊敬する内海桂子、好江師匠の手形を記念に撮影

マルベル堂の前のワゴンに並んだブロマイド。左はひばり。右は裕次郎。そして真中はチェッカーズ。
公会堂から新仲見世へ。どうせ散歩するならと、今まで入ってみよう見ようと思いつつ入ったことの無かったマルベル堂へ。往年の大スターから広末やジャニーズジュニアまで、スターやアイドルのブロマイドがところ狭しと並ぶ、ブロマイド専門店のマルベル堂。土日は混雑している店内も、さすがに平日の昼間とあって、がら空き。壁に並んだ初々しい百恵ちゃんに、おもわず大声を上げて感動していたのは私です。地下に下りるとまたびっくり。まるで図書館のカードのように、名前ごとに分類されたブロマイドがぎっしり詰まったケースが並んでいます。「このブロマイドって、ものすごく貴重なデータベースですよね。これって、デジタル資料化する企画とか無いのかしら?」などと訳のわからないことを話しながら店を出ましたが、あの店に数分いて思いましたね。ここで手に入らないブロマイドって、有るんだろうか?いや、きっと無いに違いない。。。
マルベル堂を出て新仲見世をロックに向かって歩いていくとY婦人が「そう言えば、ヨニゲヤって入ったこと有る?」。「はあ?」「あそこよあそこ」。見ると確かに「よにげや」という提灯の並んだ店が開いています。ここは昔から、それこそ夜逃げ後の家に残されたような!?出所の知れない品を、巧みな口上付きで、格安で売っていることで有名で、婦人の旦那様のY氏も子供の頃にここのおじさんの口上を聞きに来たのだとか。おもしろがって入ってみると、早速噂に違わぬおじさんの見事な口上につかまりました。「もう40年もこの店をやってるんですよ。昔は寄席の若手が師匠に、『余荷解屋に行って勉強して来い!!』ってんで、よくやってきたもんです。今じゃすっかりお客さんも減っちゃったから、寂しくって仕方ない。ほら、このボールペンどうだいライトが付くんだよ。1本1200円。だけどそんな金払う必要は無いんだ。この余荷解屋の福袋(でもなぜか箱)を1000円で買えば、なんとこれが付いてくる。中に何が入っているかわからないこの福袋(でもやっぱりどう見ても箱)。楽しいじゃないか。ね。どうです?」あまりのリズムの良さに思わず「買った」と1000円出すと、「うれしいね。お姉さん。じゃあ何かおまけにもうひとつつけましょう。ほらこのくつ底。つぼを刺激して健康に良い。旦那さんにもぴったりだ。どうです。喜ばれること間違い無し。。。。」1200円のボールペンがみるみるうちに目の前で福袋(箱?)のおまけになり、さらに靴底まで付いて1000円で自分の鞄の中に入るまでの時間の楽しかったこと。噺家さんが勉強しに通ったというのも、どうやら嘘では無いようだと、うなずけました。
楽しい口上を聞かせてくれた余荷解屋の叔父さん達

ホットドックというと、細長いパンにソーセージを想像しますが、この店のホットドックは、カリカリに焼いた丸いパンにマカロニとソーセージと千切りキャベツがはさんでありました。
散歩の最後に、家で待っている旦那様達にお土産をと、入ったのはホットドックジロー。先日深夜番組のTONIGHT2で、「取材拒否の頑固な店」として紹介されていたので、どんな店なのか一度入って見ようと、前から話していたのでした。「お持ち帰りも出来ますか?」と聞くと、快く引き受けてくださったマスター。一見頑固そうには見受けられなかったのですが、出来あがったホットドックをぴっぐ達に手渡しながら、「今度はぜひ店で召し上がっていってくださいね。カリっとした食感に仕上がるように作っているんですが、時間がたつとどうしても水蒸気でしなっとしてしまうんです。本当においしいのは、やはり作りたてですから…。」熱心に説明してくださる言葉を聞きながら、番組でいっていた頑固というのは、このホットドックへの情熱とも言えるこだわりの事なのかしらと、ふと思ったぴっぐでした。

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